「春!おい、春!!」
名前を呼べば、すぐ、やんちゃな笑顔で何?と返事をくれる恋人。
俺、阿佐慶太朗にコイビトと呼べる人が出来て、早3ヶ月。
彼女の名前は城高春と言い、年は1つ上。
趣味はネットにゲーム、将来の夢は体育教員・・・
とまあ、どちらかといえば・・・・普通の女ではない。
寧ろ、イレギュラーな女である。
だけど、性格はとてもいいヤツだ。
しかも、どちらかといえばあっさりしていて、変に取り繕ったりしないし。
ん、まあ、どちらかといえば天然で、見ているとおもしろいことばかりする。
とにかく一緒にいて飽きない人である。
俺は、彼女と付き合う前まで、適当なレンアイばっかりしていた。
中学の時に足が震える思いで告白をし、始めて彼女ができたが、すぐ音信普通。
高校の時は言い寄ってくる女と気が合えば付き合い、すぐ別れるということを繰り返していた。
だから、恋愛を疎ましく思い、大学に入ったときに一切恋愛はしないと硬く誓った―
・・・・・はずなんだけど。
大学2年に入ってから、春に出会った。
初めての出会いは大学の講義。
バスケ部のジャージを颯爽と着こなし、講義に出ていた彼女に俺が目を留めた。
それから、バイト先が一緒になり、気取らない雰囲気と笑顔に惚れた。
そして、いろんな人に協力してもらい、2年のクリスマスの時に告白した。
もう、本当にあのときの俺は必死で、毎日毎日悩んで悩んで・・・・。
それでやっと手に入れた大切な彼女。
そんなクリスマスは、今でも忘れることが出来ない大切な思い出である。
それから3ヶ月。
俺たちは結構順調に来ていると思う。
クリスマスの日に初めてのキスもしたし。
やることは全部やりきった。
あの時は、正直久しぶりすぎて余裕がなくて、暴走して・・・。
初めてだった彼女には可哀相なことをしてしまった。
まあ、それでも体の相性はかなりいいと思う。
ちょこちょこ小さいケンカなんかはしたけど、でも大喧嘩までにはいたらなかった。
こんな穏やかな関係は正直初めてで―
彼女とくだらないことで笑い合える毎日が続けばいいと、そう思っていた。
*****
「慶太朗!ねえ、慶太朗!」
名前を呼ぶと、何?と穏やかな笑顔で返事をしてくれる恋人がいる。
私、城高春に彼氏が出来て、3ヶ月が経った。
彼氏の名前は阿佐慶太朗。
年は1つ下だけど、正直私よりも大人びている。
・・・いつも私は子ども扱い。
ちょーっと年上のお姉さんとしては不甲斐なさも感じるんだけどね。
まあ、頼りがいがあるといえば頼りがいがあるとも言うのかな?
口が悪くて、すぐブラックジョークに走ったり、からかったりするけど、
基本的には優しくて、おしゃれな彼氏である。
私は彼に出会うまでレンアイというものをしたことがなかった。
部活・ネット・ゲームが私の生活の3本柱のようなもので、
大学3年になるまで、恋愛のれの字も知らない女であった。
だけど、慶太朗に出会って、初めて人を好きになって、嫉妬もして、
彼と一緒に過ごすことに、楽しみを見出していた。
そんな気持ちに気づいた矢先、彼から正式にお付き合いの申し込みが来て、今に至っている。
彼と付き合い始め、大学4年生になるまでの3ヶ月間。
自分にとって、初めてのことの連続であった。
クリスマスに初めてのキス。
それからまもなく、体を重ねるようになって。
初めは本当に痛くて痛くて、とにかく成り行きに任せていたような気がする。
次の日は腰が痛くて立ち上がれなかった。
ケンカも少しはしたけど、でも、悪いほうが謝ってすっきりしているので大丈夫かな。
なんだかんだで毎日が穏やかに過ぎていく。
こんな日々かこれからも続いていくのだな、と私は思っていたのだった。
*****
<あとがき>
と、いうわけで!祝simple&simple season2!!
晴れてコイビト同士になった春と慶太朗のその後のお話です。
春が大学4年。慶太朗は3年になりました。
始めにプロローグとして、season2-ep1の前までの二人の様子をダイジェストでお送りしました。
・・・・ってらぶらぶですよねーごっそさん!って感じです。
このらぶらぶな人たちがどうなるのか、楽しみにしていてください。