恋愛パロ
拓海・真穂共に大学入学したての設定
ノージョークで行きます
本編では考えられないぐらいに気持ち悪いお二人のラブストーリーです。
基本は拓海視点
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桜の花びらが散り始め、葉桜が芽を出している。
俺―高田拓海が大学に入学してから、三週間余りが経過した。
一人暮らしや授業にも慣れ始め、友達も出来た。
高校まで続けていたバレーを、大学でも続ける決意をし、
今日は初めて練習に参加する日で、
俺は久しぶりのバレーにわくわくしていた。
体育館を目の前にして、俺の胸が高鳴る。
「こんちわーっす!」
大きな声で体育館へ足を踏み入れると、
懐かしい声。
懐かしい音。
懐かしい匂い。
なんだか昔にタイムスリップした気分になった。
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練習も中頃。
俺は同じ学年の部員と話ながら休憩をとっていた。
いろんな学部、いろんな県から人が集まっていて、話しているだけで興味深い。
そんな中、隣のコートで練習している女子部の様子が目に入った。
「女子って人数少ないんだな」
俺が隣のヤツ―水島聡に話かけると、
「ああ、10人しかいないらしいよ、おれらの半分だね」
と、返事が返ってくる。
へえー10人しかいねぇのか…
大変だなぁ女子は。
そんなことを思いながら女子の練習をぼーっと見ていると、
俺は一人の選手のプレーに注目し始めていた。
パーマのかかり、落ち着いた茶髪のセミショート。
俺は癖毛だけど、なんだか髪の毛の雰囲気が似ている気がする。
身長は結構でかい。160cm後半はありそうだ。
俺とそこまで変わらなそうだ。
ライトのポジション。決定力はないが、器用なコース分けとフェイント。身のこなし…
巧いな、あの人。
素直にそう思った。
それと同時に憧れた。
なぜなら、俺は力まかせにスパイクを打つだけだから、彼女のような器用さは全く持ち合わせていなかったからだ。
「よし、練習再開だ!」
キャプテンの声が聞こえて、俺は我に返った。
だけど、名前も知らない彼女のプレーが、頭に焼き付いて離れなかった。
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