「ようし、お前ら、今日は呑むぞ!」
「「はあっ!?」」
夏休み、世の受験生が必死こいて勉強している中だというのに…
このアホ父は何を考えているんだ……
私は悪態をついた。
「たまにはいいじゃーん!勉強の息抜きにさー」
「いや、息抜きもへったくれも、私たち未成年なんですけど?」
とは言ったものの、実は父と兄と杯を交わすのはこれが初めてではない。
結局色々言いくるめられて呑むことになった。
丁度いいことに、母と恵美は母方の実家へ帰省中である。
父はタイミングを見計らったに違いない。
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「いっやー、真穂はほんとにかわいいねぇ~さっすが俺の妹だぁ」
数時間後、でろんでろんになった兄の姿がそこにあった。
「だろ?拓海、俺の遺伝子半分入ってるからなぁ~だあっはっはっは」
ワルノリすんなアホ父!
「おい、まほぉ、メイドさんやって!俺のメイドー」
しねーよバカ兄、一回頭冷やしてこい。
「いいじゃーん。じゃなきゃ兄ちゃん真穂にくっつくもん」
ちょっ!おまっ!
ずりずりと拓海はこちらに寄ってきた。
「父さん、助けて父さ……」
ちっ、使えねー。寝てる。
「ひいいっ!」
ついに拓海は私に抱きついてきた。重いってか酒臭い…
「真穂、きもちいい」
ひいいっ、気色悪い。
もう我慢できねぇ……
「死ねっ!!バカ拓海っっっ!!」
私は力の限りを尽くして奴を殴りつけたのだった。
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翌日。
「あれ?なんで俺、全身に痣ができてんの?」
「……き、昨日酒飲んだ勢いで暴れてたのよ」
「あー、そうだったのかぁ」
真実は私のみぞ知っている。
天誅っ!
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<よい子はまねしちゃだめの主のあとがき>
いつかやりたかった酒ネタ。
未成年なのに呑ませてごめんね。
物語上の表現なので、
皆さん真似しないで下さいね!
お酒は二十歳になってから!
(説得力ないorz)
しかし拓海うざいなー
こいつは大学行ったら、新歓なんかで失敗しそう。
しかも真穂の鬼畜ぶりにも脱帽です。
日頃の恨みとか募ってたんですね。
まあそれだけ仲良しってことで!
8月の話は少々シリアスになりそうなので、直前で楽しいSSをいっぱい上げます。
ちょっと今週末は忙しいので、更新が厳しいかもです。
(本編はパソコンで打ってるので)
その代わりSSがんばります!
後、本編とは関係ないパロディ編も作る予定なんでよろしくです!