シンパシー
.  

「お前ら、仲良すぎ」
 

親父がいらっとして声をかけてきた。
は?
俺と真穂が?
いや、普通にバレーボールについてアツく語ってただけなんだけど。
日曜の午後、ママさんと恵美ちゃんは夕飯の買い物で丁度留守。
だからこーして喋ってる。
 

「ただ話してただけなんだけど…ママさんも恵美ちゃんもいないし、なんか問題ある?」

「お前ら、始めはあんなに喋らなかったのに一体どーした?」
 

「さあ?誰かさんのお陰で、仲間意識が持てるようになったからじゃない?」
 

必殺、真穂の皮肉攻撃。
親父はこれに弱い。

「…っ、とにかく、めちゃくちゃ不自然!しかも不健全!頼むから必要最低限以外はメールか電話で要を済ませてくれー」
 

親父は呆れ顔でその場を去った。
 

まあ、健全な高校生の男女が同居して1ヶ月で仲良くなったら…そりゃ不健全だわな。

だけど俺と真穂は妙に価値観が合う。
バレーもそうだし、今の生活についてとか、あの先生はどーだあーだとか。

さすが腹違いとは言え、血を分けた兄弟だよなーと最近感心してたんだ。

ただ、居候の身分で不健全と思われることをしてもマズいよな。

んなわけで、俺たちのうちでの会話は基本メールになった。
 

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<あとがき>

シンパシー
拓海視点
お家で仲良くしすぎたら、完全にいろいろ怪しいので、パパさんはママさんと波風立てぬようにストップかけるわけですね。
(↑5月の話参照ネ)

それで基本的に必要以上の家での会話はメールになります。

これから物語上でメールのやり取りも多々するとは思いますが、そういう時は大体家の中なんだなーって思ってください。
当の本人たちは徐々に信頼関係を築き上げています。
この時点で。

いやあ兄弟ってすご(ry